最高裁判所第二小法廷 昭和29年(オ)695号 判決 1956年5月18日
主文
本件各上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
参加人等の参加によつて生じた費用は参加人等の負担とする。
理由
上告代理人矢田敏夫の上告理由について。
上告理由第一点は経験則違反をいうけれども、その実質は原審の専権に属する証拠の取捨選択並びに事実認定を非難するに帰する。第二点前段は原審において主張がないばかりでなく、原判示に副わない事実を前提とするものであり、また後段は本件の出訴期間は被上告人が買収令書の交付を受けた時から起算すべきであるというのであるが、この点に関する原審の判断は正当であり所論は独自の見解にすぎず、論旨はいずれも採るを得ない。
上告人補助参加人等の上告理由について。
論旨は本件土地は自作農創設特別措置法所定の農地にあたるとと主張し、この点に関する原判示を非難するのであるが、原判決の認定した事実によれば本件土地はこれを農地でないと解するのが相当であつて、原判決に所論のような違法はない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九四条後段に従い、裁判官一致で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田克)